意味わかんねえ、ほんと、意味わかんねえ。おいおいおい。サソリ旦那って女に興味ねえよな。じゃ、何で?!何でが最近、旦那とばっかりいるわけ?!昼飯のときまで何一緒に外で食ってたわけー?!

「旦那ああああああー!!!!」
「っ、デイダラ、おい。首曲がったじゃねえか。ヒルコ被ってたらその髪切ってんぞ、ああ?!」
「旦那は首曲がってももどるからいいでしょうが、うん。てか何?なになになにー!?」
「うざい。用件はさっさと言えよ」
「だ、だからなあ、うん」
「早く言わねえとヒルコ持ってるぞ」
「うっ、その、なんだ……うん。旦那って、女に興味、あんのか……うん?」
「は?ねえよ」
「じゃあ何で、うん!」

なんでとばっか一緒にいんだよー!そんな簡単に聞けないに決まってんだろーが。何かわけ分かんないんですけど。なんでおいらの手の口がため息なんかついてんの。ため息の仕方が旦那と似てるところとか、ぞっとする。
旦那がにたあ、って笑った。おいおいおい、もっとぞっとするじゃんよお、うん。そう思っていたけれど、全然違った。恥ずかしさがこみ上げてきた。

「ははっ、分かった。分かったぞ」
「分かんなくていいってば、うん!」
「おまえあれだろ」
「……っ」
「んことだろ?」

黙ってると、旦那の顔がもっとにたあってなった。いや、どっちかって言ったら、にやあ……かもしれない。オレの悩みは何処へ。恥ずかしさが津波になってやってきた。おいおいおい。おいらの手、笑ってたら縫うぞ!

「おまえも子供だな、まだまだ」
「るせえよ、うん!!旦那みてえな年寄りに言われたかねえ」
「叩くぞ。てか、そんなにオレ等ん事、気になるんだ」
「ううううー」
「教えてやろーか。教えて欲しいんだろ」
「何、何なの、結局!?」
「付き合ってんだよ。いや、付き合ってやってるんだよ」

絶句。おいらの手が笑っていようが、縫う気なんて無くなった。おいおいおい、まじかよ。てか腹立ってきた。何、つきあってやってるって?!
旦那はあいかわらずにやあ、ってしてる。そんなに悲しむオレが可笑しいか。

「付き合ってやってるって、それ本気かよ、うん?」
「何度でも言ってやろうか」
「付き合ってるならまだしも……付き合ってやってるって。弄びやがって、うん?!おいらキレっぞ!!」
「落ち着けよ、馬鹿が」
「落ち着いてられっか!」
「ほんと、馬鹿だな……」

旦那があごをしゃくった。起爆粘土を爆発させる寸前に、何を見ろって言うんだ、うん。不意をついて殴られるかもと思って、一応威嚇しながら見てみた。なんだ、傀儡じゃねえか。

「傀儡造るのに、付き合ってやったんだよ」
「なっ?!」
「オレは女に興味ねえって、言ったはずだけどよお?」
「はああああああああ?!」
「ほんっと馬鹿だよな。どんだけオレに嫉妬してるかも、よーく分かったよ。ははっ」
「旦那ああ……」

まじで、危なかったじゃんよ。渇って言ってたらやばかったなあ、うん。逆に殺されてた。腰の力が抜けてへたりこんだ。旦那は相変わらずにたにたしてっから、恥ずかしさアップ☆って感じだったのに顔は赤くなんねえ。
あれ、っと声がした。おーいおい、こんな時におでましかよ。だよな、だって旦那と傀儡造ってんだもんな。

「デイダラ、なんでこんなところに居るのー?」
「聞けよ。こいつな……ふぐっ!」
「だめだめだめだめー!」
「変なデイダラー、はははっ」

ちょっと遠い位置に居るがこっちに近づいてくる。すっげえ、やばい。顔が紅い。やべえ、このままじゃまじおいら死ぬ!

「渇ー!!」
「えっ?ぎゃああああああああっ!!何、なんなのー?!」
「……デイダラおまえ、愛情表現下手クソなのな」
「う、るっせえよ、うん!」
「デイダラの馬鹿!服焦げた!いつか傀儡でしばいてやるっ」
「だめだめだめ!これ以上近づくな、うん!」
「いやいや、。もっと寄って来い。そしたら超素晴らしい仕込みの造り方教えてやる」
「え、ほんとに!やったー」
「あわわわわわわわっ、旦那、最低だ、うん!」

旦那にたにたしてるし、とか超嬉しそうにこっちに来るし、顔燃えそうだし!
芸術をボフンッと出して逃げようとした……が!やめてえ、旦那!おいらの腕、離してくれよおおおお。

「旦那ー!離せええ、うん!」
「はははっ駄目駄目。散々オレを威嚇して、渇までしようとした罰だ」
「サソリー、仕込み教えてよー!」
「わあああああああっ」
「(おいおい、泣いてっぞ)」
「デーダラ?」

肩にぽんっと手が置かれて、そこだけ燃えそうだった。反射的に振り返ったら、の人差し指がほっぺたにささって、そこも燃えて、オレは。

「ぎゃあっ!デ、デイダラ?!」
「まじかよ。泣くならまだしも、気絶?」
「何、サソリなんかしたの?」
「まあそうかもしんねえけど、一番の原因はおまえだな」
「は?!何で」
「ははっ、さーな」

目が覚めた時、もしが目の前に居たら、オレはたぶん死んじゃうんじゃねえかって、ふと思った。

(08.07.05)